個人的感想2

児童を対象とした手作り木造船航海体験と地域交流事業
ドリームシッププロジェクト
子ども達の海賊船

                       土方教授                  P2       

 池林氏の言葉をそのまま書きますと、「あの先生、桜の木2本、切っちゃったよ」となります。
 多くのアドバイスをいただいた日、先生は私たちに、私が教授でいる間に教え子を「オリンピックに出場させたい」と言われていました。そして、それを見事に実現されたため、実験当日は来て頂けませんでした。カヌー競技の中のスラロームという種目です。
 国を代表することとなる、オリンピック選手を教え子の中から出す、つまり国内最高の実力を持つ選手を育てるということですから、どのようなご苦労がそこにあるのか、私には想像すら出来ませんが、いつもニコニコ穏やかな教授の姿からは、厳しくする事でそれを達成されたのではなく、多くのタイミングの良い適切なアドバイスと励ましで、選手の実力を引き上げていかれたのではないかと感じます。そのことについての講演会を開いてはいただけないのでしょうか?是非お聞きしたと思います。
 25トンのクレーンで船を吊り上げ、固定台をトレーラーに男6人で移し、吊り上げた船を45度程、向きを変え、ゆっくり降ろしてゆきます。1.5トンもある海賊船、固定台にバランスよくすべての面が安定して接している事が求められます。慎重に、慎重に行われました。
 走り出すと僅か5分、入り口信号を曲がり、直ぐに右折、やや急な坂道を登ると駿河台大学のすべての入場者を守っていらっしゃる、守衛所があります。先生の手配が行き届いていて「海賊船です」と声を掛けると、守衛さんは理解されていて、明るく案内して下さいました。
 準備が整いました。
 再び船を吊り上げ、今度はクレーンの腕を一杯に伸ばし慎重に、ロープを使い、船の方向を見定めながら降ろしてゆきます。
進水しました。拍手が巻き起こります。1年数ヶ月という長い期間、毎週、土曜と日曜、そしてすべての休日を海賊船の制作に費やしてこられた方にとっては感激的なことだったと思います。船が初めて水に浮かんだ姿はまだ、海賊という風情はなく、船首から中心への曲線が美しく優しいお嬢様のようでした。そして、工房ではあんなに大きく感じた長さ9メートル幅3メートルの船が、大学の池に浮いたようすは、とても小さく思われました。
 吊り上げるための帯をはずし、空の状態での喫水の確認を終え3名が乗り込みました。オールを使い動かします、そして動きだしました、たった3人の力で。船の方向を定めオールを漕ぎ、舵を切り、(個人的には金属担当として舵が効いているのに感激していました)みんなが乗り込む岸辺を目指し、ゆっくり進
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