環境ボランティア

6月20日
                   学生の方々
                     
 先日、駿河台大学の環境ボランティアに参加致しました。そこで学生さん達の献身的に作業をしている姿に触れ、どこから、そのエネルギーが湧いて来るのだろう、全身、産業廃棄物にまみれています。本当に凄いな、感心するばかりでした。参加された皆さんは女子学生1名、男子学生7名でしたがすべての学生が誠心誠意、力を尽くしていました。しかもとても楽しそうにも感じられました。
 この事業の成り立ちは、大学の敷地にある池や小川を、在来魚類やホタルが棲める所とする、里山林を再生し、学生あるいは市民がそれら生物を観察できる、なお且つ、車イス用ボードウォークを設置するなど、ある意味壮大な実施計画のもと数年が経過し、いよいよ本年、ホタル観察会を実施する運びとなったとお聞きしております。そのテーマは「環境ボランティアマスタープラン」であります。
 講義棟の一番奥にある多目的ホールへ入ると、すでに先生と数名の学生がテーブルの周囲にある椅子に腰かけたり、立ち話をしていました。時計を見ると定刻を少し回っていました。私たちがみなさんを、待たせてしまったようでした。 
 間もなく先生が「それでは準備をしましょう」と声をかけられ「長靴」「手袋」と言われます。私は毎日使っている(犬の散歩)膝まで隠れる長い長靴を履いて行きましたし、手袋も持って行きました。学校が長靴・軍手・ビニール手袋・厚手の手袋・スコップすべて用意していました。ここでも少し驚きました。でも、寮生活をしている今の若者は持っていないんだろうな、おしゃれな通学用のゴム長は持っていても、作業用の長靴は、と納得できないわけでもありませんでした。
 自己紹介で始まり、ほとんどの学生さんが3年生で、その他の学年の子が数名だったように思います。前回、私は参加できなかったのですが、小川の源流に、恐らくバブルの頃捨てられたのだろう、不法投棄のゴミが相当量放置され、その内容たるやマスコミでさんざん取り上げられた品々だというのです、たとえば自動販売機等、それらは前回の清掃後、行政と相談し処理をお願いしたと言われていました。そんなことなので私の参加はずっと気楽に考えていました。きっともう少し、人の手を入れたらかたずく程度なのではないか、そんな具合でした。
 講義棟を出てまず、ホタルの生息地の小川へ向かいます。先生よりホタルの今頃の様子(夜行性なので見ることはできませんし蛹の状態だろう)についてにお話がありました。そして要害沢に沿って道路を南へしばらく歩き、南側境界線沿いを右折します、その時、鎖を乗り越えるのですが不法投棄がなされているときにこそ必要だったクサリです。とても深い雑木林でしたし、角度もそれなりについていてちょっとヒンヤリ感がありました。
 少し歩いたところで1メートル以上はあったでしょうか滅多に目にしない蛇が出現し、それはアオダイショウでしばらくの間、皆じっとしていました。日蔭があるじめじめした所が好きなのだそうです。乾燥という事態を恐れてのことと聞きました。上ってゆくと栗の木があり、たくさんの種類の昆虫がいました。その場の雰囲気は、自然観察会そのものでした。
 10分ぐらいだったでしょうか道が大きく右折しているところへ出ました。左側は5・6メーター落ち込んでいて湿地となり、最近菖蒲が群生してことを発見されたとか、入間市の新名所となるのでは?そこは私を自然に引き戻してくれるように感じましたし、そしてとてもゆったりとした時の経過を重ねているように見えました。

 問題は右側の目を覆う景色です。それでも大きなものは取り除いたと言われます。私たちが立っているところから大学の小川の源流となっているやはり5・6メートル下がっている場所まですべて、不法投棄された産業廃棄物の埋立地でした。露出しているガラスの破片、腐りかけている空き缶、お菓子のビニール袋、ありとあらゆるゴミがそこにありました。
 大型トラックの後部の荷台が角度をどんどん傾け、乗せられたそのゴミが、目につきにくい美しかった湿地帯に捨てられたのでした。廃棄を引き受け、お金を頂き、捨てる場所は緑豊かな湿原地帯、今、誰がと特定しても意味はありません。

前ページ     トップページへ戻る     次ページ