2005年2月16日午前4時25分の出来事と、三日目の夜、本来の母親となる事ができた「さくら」の顛末
まえ
つぎ

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。またまた先生に連絡を取り、そして病院へ、そして原因が解りました。「さくらママ」のおっぱいが出ていなかったのです。そして先生は「初乳が飲めないとこの子達は生きられませんよ」「一日六回、三時間おきにミルクを与えてください」こう言われスポイト、注射器のようなもの、犬用の哺乳瓶、ミルクの指示をして下さいました。いよいよ命を繋ぐ作業の始まりです。マリヤの担当なのですが水を温めミルクを量り、混ぜ、子犬を膝に左手で口を軽く開くようにするのだそうです。スポイトなどいろいろ試してみましたが、我が家の子犬たちは、人間の赤ちゃん用の哺乳瓶が合っているようでした。微妙なタイミングがあって、口を軽く開いてスッと入れたとき、チュウチュウ、すぐに飲み始こともあるのですが、ほと






んど一度では駄目でした。嫌がって乳首を出してしまうのです。頭に乳首がアタッテイル写真もあります。それでも「てつ」と「ライン」は比較的よく飲んでくれました。「茶点」に比べての話ですが。育てる自信がなくなるほど飲んでくれない「茶点」三時間ごとに、与えるミルク、私達には、三匹が飲み終わるともう次のその時間、そんな日々でした。振り返ってみると、早朝、六時ごろから、夜中の十二時ごろまで、とても大変なのに、でも、あんなに楽しい時はありませんでした。さくらのお乳が出ないという、思いがけない現実が私達に、又、違った世界を見せてくれたのでした。毎食後、計りに乗せては少しずつ増えていく体重を確認し、大きく成長して欲しいと祈る日々でした。


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