アンケート 
 礼儀正しい生徒たちと挨拶を交わしながら正門を抜け、受付を済ませ、進むと、まるで公園かと思わせるような、整えられた、緑溢れる風景が広がっていました。色づき始めたこまやかなもみじ、淡い黄色、透ける彩り、穏やかな陽差しに包まれた静かな佇まいの空間がそこにありました。実は私の妻は、45年ほど前に97歳(2008年11月現在))になる母に、この学園へ入れたいと、言われたようですし、妻も子どもを同じく、入学させたいと思っていたそうです。ですが、妻、子どもは様々ないきさつのもと、高校を卒業するまですべて、公立の学校でした。
 見ていただいているものが(許可をいただき、数枚の写真を掲載させていただく事が出来ました)そうなのですが、除伐材を使い、動物の、瞬間の動きを捉えたオブジェの見事さには感心させられました。思わず持って行ったデジカメを取り出しパシャリ。そこに居合わせたお子さん連れのご家族の会話も、私たち同様、感心しきりでした。そのお子さんが、動物の豊かな表情に引き寄せられ触ろうとすると、「触っちゃ駄目よ」「心が逃げちゃうから」と言っていました。

そのように、まさしく、私たちを迎えてくれる心が表現されていました。続いて、運動姿の造形がドンドン私たちに、次は、次はと期待を膨らませてゆく、心の変化を誘導する構成になっています。
 この学園の、子どもたちの成長への「志」を感じて祖母の思い、妻の思いが良く理解できました。もし、孫が出来、許されるなら是非、この学園に入れたいものだと、そんな会話をしながら案内表示に従い、初等部の展示会場へ向かいました。

 「自分達の生活を彩り、豊かにしていく力を養う」その基本は「良く見る」ということだと、芸術教育の方針が正面パネルに大きく書かれて、じっくり読んでいると、私達が生きているこの世界、いろいろな事が起こり「心を縮めたり、背伸びをしたり」その繰り返しのような気がします。物事を深く見つめようとしない私は、芸術教育の基本が「よく見る」ことにあるように、それらの現象をよく見て、判断を誤まらぬようにとしたいと、思ったしだいであります。
美術工芸展

11月23日

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